Paradigm Premier 200B
2年前にPCオーディオを始めたときに、Paradigmのスピーカーに興味を惹かれたのだが、Atomはエントリークラスなので、満足できないだろうと思って躊躇し、他のものは予算オーバーで手が出なかった。
それで(?)、Quad S1の中古を購入して、満足していたのだが、Apple Musicのサブスクリプションを利用してジャズをかたっぱしから聴くようになると、Quad S1の低音不足も気になるようになった。 その間に Paradigm Premier 200Bのレビューをいくつか読んで、15万円クラスのスピーカーの中では最もバランス良さそうに思えたので、ヤフオクで入手した。
手持ちの2-wayスピーカーの中ではベスト。コストに見合った音が出る。
音に包まれる感じで良いです。どんな曲でも良い感じに鳴らしてくれる。
情報量多く、解像度が高い
感覚的には、繊細な音が聴こえて、それでいて、かなり濃厚。
低音はタイト
反応が良く、そして、テールを引かずに速やかに音が収まり、ぼやんとしない。
セッティング次第ではリアのバスレフ・ポートから低音が盛大に出る場合がある。ダクトに詰め物したほうがよいかも。
私はPremier 200Bの響きの良さが失われるかもと思って、いまのところ、いじらずそのままにしている。(ちゃんと聴くときは、背面のふすまを開けて隣(奥)の和室に低音が抜けるようにしている。)
中高音は、かなり美しい(Quad S1と同等)
サランネットを外したほうが良い音が出るが、したままでも良い音。
時間的な分解能が高く、繊細な表現を再現。ボーカルのアタックの密度の高さ、鋭さが表現され、それでいて、優しい声を表現できる。
空間表現力も高い
川のせせらぎといった環境音を流すと、自然に包まれた感じになる。水面をリアルに感じる。
実売価格148,000円(送料込)相当、ヤフオクだと10万円前後が相場。
エージングには、少なくとも100時間必要。
エージングが足りないと、明らかに「嫌な音」がするので、分かる。
中古だったが、エージングにかなりの時間を要したので、前の持ち主は、エージング完了後の音を聴かずに手放した可能性高い。
スペック
2-way
cross-over: 2kHz
ウーファー: 165mm コーン
ツイーター: 25mm X-PALメタルドーム
55Hz-25kHz (plus-minus 3dB)
200Hz-5kHzまではフラット。それ以上の周波数がなだらかに強くなる感じ(15kHz付近は沈む)。
うるさくはない。
cross-over付近の歪みは少ない(100Bは別のサイトで1kHz付近で沈む、との報告)
出力レベル: 90dB
欠点
ついつい音を大きくしてしまう、ところ。音量を絞ると、聴きたい音がおとなしくなってしまう、他の音に埋もれる傾向あり。
エージング中に、かなり嫌な音がする。しかも、エージング完了までに100時間近くかかる。
人の話し声(特に一部の男性の「アナウンサーや声優」の声)がこもって聴き取りにくいことがある
高音が金属っぽい響きなので、気になることが時々ある。(傾向の違う他のスピーカーの音を聴いた直後に感じる。)
背面側のスペースをかなり大きく取らないとリアダクトからの低音が大きくなり、気になるかも。密閉箱が好きな人は、このスピーカーを気に入らないかも知れないが、タイトな低音で、それほど遅れはない。(私は低音に慣れていなくてぼわ付いていると思っていたが、低音がよく出てそれほど群遅延のないセッティングのフルレンジ(ただし、ダンパーを柔らかく振動系を重くして低音を出すタイプなので、緩和時間が大きめのもの)と比較すると、低音はタイトで良いと分かった。)
その他
200Bの導入目的は、Quad S1に対して低音を増強することだったが、私は中高音の響き重視なので、S1の中高音の響きを損ねることなく低音を増強できたことに、とても満足している。